2001.05

「500系のぞみ」エア駆動式
パンタグラフ装置に
「ミストオール」



「新幹線」は、1970年代の日本経済に大きなインパクトを与えました。

海外からは「日本に来て最も驚かされたもの。飛躍的に効果的な情報伝達を果たした製品。世界的ヒット商品」。1964年10月、初めて東海道に登場し、今日まで延べ90億人を運んできた「新幹線」は、このような目で受け止められています。この新幹線の世界最速(営業平均速度)車輌が、昨年時速300kmの最高速で営業運転を始めた「500系のぞみ」になります。

初代「のぞみ」は、1992年3月から走り出し、来年にはさらに新製の「700系のぞみ」が東海道にお目見えする。これで最速の「のぞみ」は、JR東海が開発した初代「300系のぞみ」とJR西日本が開発し、昨年山陽道に開通した「500系のぞみ」、現在JR東海とJR西日本が共同で製作中の「700系のぞみ」と、3種類の「のぞみ」が東海道・山陽道に走り始めることになります。

この最速の「500系のぞみ」6編成全てにエアで押し上げる低騒音型パンタグラフの除湿機用として、40台の「ミストオール」が採用され運行されています。

「ミストオール」は、1989年から10年の間に車両用除湿機としてエアブレーキを制御するライン用に312台の納入実績がありました。この実績をベースに、1996年からテスト走行を始めた「500系のぞみ」1編成16車両の、最も安定した高度な性能と耐久性が要求される低騒音型パンタグラフのライン用に、新型機種の除湿機としては初めて採用となりました。そして残りの5編成に設置され、現在では合計40台の「ミストオール」がノーメンテナンスで作動し続けています。

当初新製新幹線「500系のぞみ」のテスト高速走行に立ちはだかった壁は、高速でのパンタグラフの問題がありました。速度を上げるとパンタグラフはまるで飛行機が離陸するように、「舟体」を押し上げる空気の揚力が働き、架線を切ってしまったり、バタつきが激しくなり、架線からの集電能力の効率が下がってしまう。またパンタグラフから出る騒音は、列車騒音の全体の3〜5割を占め、特に国が定めた騒音の環境基準値「住宅地区70デシベル以下」のクリアが問題でした。そのため高速でのパンタグラフは、従来のばね式からどうしても滑らかな追随性を見せ、騒音を押さえるエア駆動式翼型パンタグラフが必要でした。

90年6月に発足したJR西日本の高速プロジェクトチームは、この翼型パンタグラフの実用化を目標に掲げました。形状だけでも100種以上ものパターンを考えた末、架線に接触する金属棒の「舟体」の断面を翼のようにして支柱の側面にギザギザの突起を付ける、独特の工夫を考案しました。この形状を考案するきっかけを作ったのは、日本野鳥の会の会員であった一人の技術者がつぶやいた何気ない一言「ふくろうは静かに飛ぶ」でした。この何気ない一言が新発見となった技術により、騒音環境基準をクリアした最良のエア式低騒音翼型パンタグラフができ上がりました。

「ミストオール」 は、すでに4年間、事実上のノーメンテナンスで、また、従来品と比べ三十分の一の重量で、この翼型パンタグラフを制御するエアを保全し続けています。



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